シロたん君の報告書(全文掲載)

シロたん君の報告書(全文掲載)

シロたん君の印象

マイペース  ひょうきんな所がある 気持ちが優しく繊細 のんき 甘えん坊だが、自分を上手くアピールできない(不器用)  懲りない性格と思われてしまう面がある

繋がったと思うや、シロたんは飛んできてくれた。 「今日は、お姉ちゃんに頼まれて、君とお話しにきたんだ」 「へっ?」と素っ頓狂な声を出して驚くと、「話って、美味しいのかな?」 お話は食べ物じゃないのよと言うと、ちょっとつまらなさそうな顔になる。 そこで説明を試みたが、目がだんだん中央に寄ってきて、難しい(考えている風)顔になってしまった。 このまま待っていたら、退屈して遊びに気持ちが向いてしまいそうなので、質問を開始した。

質問 シロたんは、何度かお代わりしますが、ご飯足りていますか?

「そうだよ。僕はいつもお代わりするよ。それが普通じゃないの?たりてるかってなに?(と言いながら、段々納得していく)・・・そういうことかぁ。もういらないよって残したことないから(僕の記憶ではない)どういう感じかわからないな」 ここで突然、山盛りになったお皿がたくさん置かれている場面が出てくる。 「 (うれしそうに)1回こういう風にしてほしいな。お皿がたくさんあれば、お代わりしなくてすむんだー。ああー、いい考えだ。そうだろ、お姉ちゃん。たりないって言わなくてもいいなんて、最高」

質問 シロたんは、今の生活はどうですか?

どうですか?の意味がピンとこないのか、何の返事もない。興味が違う方へいってじっとしてくれないので「シロたんは、今幸せ?」と聞くと即返事があった。 「ゆめとお姉ちゃんと3人でいる時は幸せだよ。ご飯もらって、遊んでもらって、撫ぜてもらえるんだ」 (母猫のゆめさんを、お母さんでもママでもなく、ゆめと呼ぶのが印象的。これは、Kさまがゆめと呼ぶからではない。シロたん自身が大人になり、自分を確立しつつあることの表れという、シロたんの潜在意識からくる声を感じた)

「お姉ちゃんが家にいないと、つまんない時があるよ。ゆめに怒られるしね。ゆっくり寝ていられないから、静かにしなさいって言うんだよ。僕だって努力して(気を遣っている)るし、この家を守っているのになあ」

質問 シロたんは、私にあまり寄ってこないけど、一人の方が好きですか?

「そんなことないよ。でもお姉ちゃんとゆめは仲がいいからね。ゆめが、お姉ちゃんは私の人間!だって言っていた。僕もそう思う。だから、僕は気を遣っているのもあるよ。僕は男だからいいよ。そんなにいっぱい話すことないしね。お姉ちゃんとゆめがいてくれれば、それでいいよ」

質問 シロたんは、私にお願いしたいことありますか?

「もっと一緒にいたいよ。お家に居る時もお姉ちゃんは忙しそうだし、もっとのんびりしているお姉ちゃんがいいな。それから、僕を怒らないでね。お姉ちゃんが怒ると、ゆめが、<ほら、また!>って言う。2人に言われると、ちょっとしゅんとするね。○○しちゃダメ!とか、おっかない(力のこもった声で)声で、シロたん!!と言わないで。○○しないで、お願いという風に、言ってほしい。そして僕が守れたら、うわーー偉いねシロたんはと、言ってほしいな。だって、僕は男だからね(男としての自覚が、はっきり芽生えている口調)」

質問 シロたんは、ゆめのこと大事ですよね? (ゆめが心地よく居る場所を取ったりしていますが…)

「大事だよー。だって、僕のお母さんだからね。(人間の親子のような、血の繋がったという感覚はあまり感じられない。もっと、カラッとした感じ) 場所のことは・・・ゆめとお姉ちゃんは、心とか会話とか気持ちでしょ、だから僕は場所だね」 「それは、どういう意味?もう少し、具体的に説明してくれる?」 「場所の優先権だよ。僕は男だから!僕もいるよ!ってこと(お姉ちゃんとゆめにアピールしている)」ちょっと大人っぽい口調で、「僕の自己主張のツール」とも言った。

最後に、何か言いたいこと、言い残したことはないですかと聞いてみた。

「お姉ちゃん、僕を中に(家の)入れてくれてありがとう。僕をどこにもやらないでくれて、ありがとう。僕を一緒に連れてきてくれて、ありがとう。だから今度は、僕の番だよ。僕は、男だから。このこと、忘れないでね」

シロたんの言葉の背景に、Kさまが当初、2頭も自分で面倒みていけるかに、迷いや不安があったことを示唆し・・・また、自分たちの責任を取ることを通して、ご実家(お母様)との絆や関係を大事にしつつも、Kさまご自身の核となる部分を確立していくと―彼は普段、ひょうひょうとして空気がよめない、ある意味ピエロ的な役割をしつつも、こういう真剣な部分を後押ししている。そういう、男らしい心根を、強く感じるのだった。 ここまで、受け取ったことを文字にしてきたが、最初からチラチラする影があり、その影がここにきて、次第にシルエットととなり、輪郭をおびてきた。

私はその輪郭が何者か知っている気持ちになって、誰なのか思い出そうとし・・・ああ!と声に出してしまった。ウリさん、正確には、ウリさんの意志が、シロたんの中に生きている感じ。

目をこらし輪郭を見つめていると、Kさまを1人にしないため、懸命に発信していた、ウリさんの立ち姿が浮かんできた。

私はすっかり感じいって、思い巡らせていた。Kさまがこの話を知ったら、どんなに喜ぶかと想像しながら。

以上ご報告いたします