モモタロウ君の報告書(全文掲載)

モモタロウ君の報告書(全文掲載)

モモタロウ君の印象

身体の各機能が、限界に近い状態 それに反して気分は良い(何か清々しさを感じる) 前回の中々話さないセッションと違い、モモタロウ君自身伝えたいことがある 早く話をしたい

モモタロウ君とすぐにコンタクト取れ、私の前に座っている姿が見えてきた。 「去年お話してくれてありがとう・・・私のこと覚えていますか?」自己紹介した後、そう切り出してみた。 彼は何も答えなかったが、頷くのがわかった。覚えている、早く話をしたいという気持ちが流れてくる。

ママから聞いたよ。(癌のこと)今、身体の調子はどう?

去年の暮れあたりから、自分でもあれ変だな?と思い始めたという前置きがあって、

「身体はかなりだるいけれど、気分は悪くないよ。なんだか、ちょっとホッとしている感じもするくらいだよ・・・肩の荷がおりたっていうかさ」
「肩の荷がおりたって、どういうこと?」
「だって僕はさ、時々おかしくなっちまうし(前回のご質問にあった、癲癇のような原因不明の発作のこと)ママの思っていた猫と違うしさ。なんか足手まといだなって、ずーっと思っていたからね。それに僕は、人間が思うほど生に執着していないんだ。わかるだろう?僕のこの感じさ。(マイペース・孤独好き・ひょうひょうとしている)楽になるなら、死ぬのは怖くないんだ」

ここでモモタロウ君は、一息ついた。この先、本当に言いたいことを話すよと、声にならない声が伝わってくる。
「これから言うことをさ、ママに上手く伝えてほしいんだ。僕はママが、僕に申し訳ないなと、心の奥で常に思っていること・・・こんな僕でも、それだけは違う!!って声を大にして言いたいんだ。今まで、本当にありがとう。変り者の僕を(ママが思い描いていた雄猫と違うのに)大事にしてくれて、一生懸命、色々と考えてくれたよね(このアニマルコミニュケーションもそう)桃子と2人だけなら、何の迷いもなく、ただ幸せと思っていれたのに。だからお礼を言うのは、僕の方さ。僕は、自分のペース・歩調を変えることなく、静かな安心できる(静かで安心できるということは、彼にとってとても重要)お家で、今まで暮らしてきたこと、とても満足しているんだ。柄にもないこと言ってと思うかもしれないけれど、本心だよ」

ここまで一気に喋った彼は、満足した様子で、静かに身を横たえました。その姿は、1頭の黒く美しい豹の姿になったり、モモタロウ君になったりする。 私は、後で説明があるとなぜかわかっていて、なんの不思議もなく、その姿を眺めている。

質問 お風呂場が好きなのはなぜ?寒くないの?

「暗くて狭い所が好きなんだよ。特に上(天井)があるだけで安心するんだよ」

この好みは、過去世に関係していると感じた途端、目の前に光景が現れる。 どこかの山岳地帯、大きなとても大きな鷲に(捕まって)運ばれていく子猫。その子猫(山猫か豹の子供のようなイメージ)が、過去世のモモタロウ君の姿。

「だから、上から手を伸ばされる、上からばっと来られるの、まだ怖いんだ。これでも(今世ママのところで暮らして)ずいぶん和らいだんだけど」
「辛い記憶を見せてくれてありがとう。ママに伝えるよ。ただ、ママは寒くないか心配しているよ」
「心配かけてすまないな。でもまだ自分で動ける(かろうじてという感じもするが)から大丈夫だよ。ツルツルした床の感じも嫌いじゃないしね」

「わかりました。では、ベッドはどうしたらいい?」
「いつもの場所でいいよ。お風呂場のそばで寝たいわけじゃないからね(ベッドが置いてあれば入る時もあるけれど)」

いっそのこと(心配だから)お風呂場のドアを閉めちゃおうかなという、Tさまの意識を感じる。
「それはしないでね」

「寒くないのかな?」
再度聞いても返事がないので、お風呂場を温めるイメージを送ってみた。

「それはいらない」 「わかりました。ママにそう伝えるね」

質問 食事どうしたい?全く食べない・・・

「ママが心配しているよ。何か食べられるものある?」
「むしろ、食べない方が気分がいいよ。食べると、ムカムカするんだな」

私の方にも吐き気が伝わってきた。かなり強い感覚。

「今、身体のどこが一番しんどいかな?」 お腹が、とても気になる。重い、腸が気になる。

「排泄がスムーズにいかない。上手く出せないのに、上から押し込んでもダメだな」
「言う通りだね。では、何か食べられる感じじゃないってこと?」

「お刺身が(赤身の)食べたいな。でもきっと食べられないと思うな。出してもらって食べられないと、それでまたママに心配かけるからさ。僕は自然の流れで逝きたいんだ。困ったな、心配かけてるな、僕。分かっているけれど(食べないと)こればかりは、どうにもならないな」
「無理しなくていいよ。ママにちゃんと伝えるから」

質問 何かしてほしいことある?そばにいてもいいか?邪魔せず、静かにそっとしておいてほしいか?

「僕がママの居る所へ来て寝ていたら、優しく撫ぜてほしいよ。でもそんなの無理だな、酷だな。だって僕のこと、こんなに心配してくれてるんだもの。ママが僕のそばに来てくれたら、なんか言って泣くだろうし、何かしたくなってしまうかな・・・しまうよね」

以前好きだと言った、あごの下をカキカキするイメージを送ってみた。
「あごの下に手を伸ばすと(顔の回りも)なにか食べさせられちゃうのかなって思うから・・・食べさせない、あごの下をカキカキするんだよって言ってよ。そうしたら大丈夫だよ。(でも自信ないかな)動いたり、触られて身体に振動が伝わると、ああ、自分はひどく調子が悪いってわかるんだ。ムカムカするんだよ」

「わかった、ママにそこのところちゃんと伝えるね」
ほっとした気持ちが伝わってきて「1人でじっとしている時は、気分悪くないんだよ。本当さ。気持ちの上では、少なくとも晴れ晴れとして澄んでいるよ」 (自分の今世を振り返って、満足している。静かに、身体を離れる時を待っているイメージも伝わってきた)

ママがね、そばにいてもいいかな?って

「もちろんだよ(僕が居間にいる時は、そばにいてよ)それは無理って言われるかもしれないけれど、できるだけ普通にしてくれるといいな。鼻歌歌ったり、桃子とママの2人で、普通に話したりさ」

質問 ごめんねと伝えたい。本当に可愛い、愛していると伝えてほしい。

「さっきも言ったけれど、そんなこと(ごめんね)言われると、さすがの僕も辛くなるよ。ごめんと言うのは、こっちだよ。僕は、ママが望むような猫じゃなくて。でも僕は、満足していたんだよ、とってもね。僕の役目は、2人のガス抜きさ。ママと桃子は一心同体だけどさ、いつもいつもそういうのって、案外疲れる時もあるだろう?そういう時にさ、僕みたいな変り者がいてさ・・・僕をみて、ああ、変な子ね!とか、まったく仕方ないわね!とか、2人で言ってさ・・・また2人で団結できるんだ。そういう意味では、少し役にたったかな(まあ、それを狙ってここのお家に来たわけではないけれど)」

「ママからこれは伝えてって言われたから、言うね。本当に可愛い、愛してるよって」

何度も頷くモモタロウ君。
「わかってる、わかってるよ、うれしいよ。今回話をしたのは、これが言いたかったからさ。僕は、自分の気持ちをうまく現せなくて、可愛くないんだよ。でもそれを今世、経験する必要があったんだ」

こう話すモモタロウ君の姿は、もうモモタロウ君ではない。最初に見せてくれた、とても綺麗な黒い豹の姿になっている。

鷲に運ばれていった子猫の時と同様、過去世のモモタロウ君と伝わってくる。心に傷を負った豹で、家畜や動物を、半ばイタズラで襲う姿を見せてくれる。本意ではないが、そうせざるを得ない心の葛藤を感じる。 (モモタロウ君本人は、口にはしなかったが・・・今回、初めて家猫を経験したのではないかと感じた)

「ママに言ってほしい。これでも、今回長生きしたんだよ。(野生動物の時は、3~4年で死んでいたと伝わってくる)今回はこれで逝くけれど、戻ってくるからね。今度は白っぽい猫がいいなあ。のんびり、おっとりした、大きな雄猫さ」

この意識が流れてきた以降、少しずつモモタロウ君の意識が遠のいていくのがわかった。

何か、最後に言いたいことありますか?

待っていたように、口を開くモモタロウ君。
「最期は自宅で静かに幕をおろしたいな。ママが大丈夫なら、ママのいる時にそうなりたい。でもママに見せない方がいいかなって思ったら、僕は1人で逝くかもしれない。そこは僕にまかせてもらえるかな?桃子、ママ、今までありがと。本当にありがとう。ママ、身体を大事にしてよ。もっと、気持ちをゆったりさせるといいよ」

「じゃあね」と「さらば」―その中間みたいな挨拶があった後、美しい豹の姿に転じたモモタロウ君は、身をひるがえし、さっと駆けてゆきました

以上ご報告いたします